「自社サイトにアクセス解析(GA4)を入れたものの、画面が複雑で何を見ればいいか分からない」——そんな中小企業の担当者は少なくありません。GA4(Googleアナリティクス4)は非常に多機能で、すべてを理解しようとすると、たいてい途中で挫折します。でも、安心してください。サイト改善を始めるだけなら、見るべき指標はごくわずかです。
本記事では、GA4で「まず最初に見るべき5つの指標」に絞って、それぞれ何が分かるのか、どう改善に活かすのかを、専門用語をかみくだいて解説します。
【結論】GA4は「5つの指標」だけ見れば、改善は始められる
先にお伝えすると、GA4のすべての機能を使いこなす必要はありません。
最初から全部を見ようとするから難しく感じるのであって、中小企業がサイト改善の入口として押さえるべきなのは、
「①どれだけの人が」「②どこから来て」「③どれだけちゃんと見て」「④どのページを見て」「⑤どれだけ成果につながったか
この5つだけです。この5点を定期的に眺めるだけで、「何が効いていて、どこに課題があるか」の輪郭が見えてきます。まずはここから始めましょう。
「GA4を見てはいるが、改善につなげられない」という方
GA4は「何を測るツール」なのか

指標の話に入る前に、GA4がそもそも何をするものかを押さえておきましょう。
GA4(Googleアナリティクス4)は、自社サイトに「誰が、どこから来て、どのページを見て、どう行動したか」を記録・分析できる、Googleの無料ツールです。以前の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」の後継にあたり、用語や画面が大きく変わっています。
たとえば、以前「コンバージョン」と呼ばれていた成果の指標は、2024年に「キーイベント」へ名称変更されました(機能は同じです)。昔のGA(UA)を知っている人ほど戸惑いやすいので、「名前が変わったものがある」とだけ覚えておくとスムーズです。
では、これらが分かると何が変わるのでしょうか。いちばんの違いは、サイトの良し悪しを「なんとなくの印象」ではなく、数字という事実で判断できるようになることです。たとえば「チラシを配った後にアクセスは増えたか」「リニューアルで問い合わせは増えたか」が目に見えるため、効果のあった施策は続け、効かなかったものはやめるという判断ができます。結果として、”勘”や”思い込み”による遠回りを減らし、限られた時間とお金を、成果につながる改善に集中できるようになります。
どこを見る?GA4の基本の歩き方
指標を探す前に、GA4のどこを開けばいいかを知っておくと、迷わずに済みます。
GA4では、画面の左メニューにある「レポート」を中心に見ます。この中に、今サイトを見ている人が分かる「リアルタイム」、流入元が分かる「集客」、訪問者の行動が分かる「エンゲージメント」などが並んでいます。
一方、同じく左メニューにある「探索」は、自由に条件を組み合わせて分析する上級者向けの機能です。最初はここに手を出す必要はありません。まずは「レポート」だけを見る、と割り切ると、GA4はぐっと扱いやすくなります。
まず押さえる5つの指標
ここからは、サイト改善の出発点になる5つの指標を、1つずつ見ていきます。
1. ユーザー数(どれだけの人が来たか)
最も基本となるのが、サイトを訪れた人の数を表す「ユーザー数」です。
あわせて「新規ユーザー」を見れば、新しく来た人と、再訪した人のバランスも分かります。大切なのは単月の数字より推移です。先月より増えているか・減っているか、施策を打った後に変化があったか——この増減を追うことが、すべての出発点になります。
2. 集客(どこから来たか)
次に見たいのが、訪問者がどの経路でたどり着いたかです。
GA4では「集客」や「トラフィック獲得」のレポートで、検索・SNS・広告・他サイトからのリンク・直接アクセスといった流入元(チャネル)が分かります。「どの集客が効いているか」が見えれば、力を入れるべき場所がはっきりします。たとえば検索からの流入が少なければSEO、SNSが弱ければ発信の見直し、という具合に、打ち手を選べるようになります。
3. エンゲージメント(どれだけちゃんと見たか)
アクセス数が多くても、すぐ離脱されていては意味がありません。
そこで見るのが「エンゲージメント率」や「平均エンゲージメント時間」です。これは、訪問者がサイトにどれだけ関心を持って滞在したかを示す”質”の指標です。アクセスは多いのにエンゲージメントが低い場合、「来てはいるが、中身が刺さっていない」可能性があります。量(ユーザー数)と質(エンゲージメント)をセットで見るのがコツです。
4. 人気のページ(どのページが見られているか)
どのページがよく見られ、どのページが入口になっているかも重要です。
GA4の「ページとスクリーン」や「ランディングページ」のレポートで、表示回数の多いページや、訪問の入口になっているページが分かります。よく見られているページは自社の強みであり、逆に重要なのに見られていないページは、導線や見せ方に課題があるサインです。
5. キーイベント(どれだけ成果につながったか)
最後が、サイトの”ゴール”にあたる「キーイベント」(旧コンバージョン)です。
問い合わせ完了、資料請求、商品購入など、ビジネスの成果にあたる行動を指します。注意点として、キーイベントは自分で「何を成果とするか」を設定しないと計測されません。アクセスは見られても成果が分からない、という状態の多くは、この設定がされていないことが原因です。まずは「問い合わせ完了」を1つ設定するだけでも、改善の精度が大きく変わります。
5つの指標を「組み合わせて」改善に活かす

指標は単体で見るより、組み合わせて読むと、課題と打ち手が具体的に見えてきます。
- アクセスは多いのに成果が少ない→ 問い合わせ導線やページの内容に課題がある可能性。
改善の考え方は「自社サイトの問い合わせがゼロの原因は3パターン|中小企業向け対策チェックリスト」が参考になります。 - 特定のチャネルだけエンゲージメントが低い→ その集客の”来る人”とサイトの内容がずれている。流入元ごとに中身を見直す。
- 入口ページの離脱が多い→ 第一印象や表示速度に問題があるかも。
速度の考え方は「Core Web VitalsCore Web Vitalsとは?Webデザインに必須の最新指標。ユーザーの満足度を映す!」で解説しています。
このように、「数字を見る」こと自体が目的ではなく、「次に何を直すか」を決めるために見る——これがアクセス解析の本来の使い方です。
GA4を入れたばかりなら、まずこの設定を
数字を正しく活かすために、最初にやっておきたい設定が3つあります。
- キーイベントを設定する:問い合わせ完了や購入など、自社の”成果”を1つ決めて登録する。これがないと、改善の良し悪しを判断できません。
- Google Search Console・Google広告と連携する:連携すると、「どんな検索語で来たか」や「広告の効果」までGA4で見られるようになります。
- 自社・関係者のアクセスを除外する:社内からのアクセスが混ざると数字が実態とずれます。自社のアクセスを除外しておくと、データがきれいになります。
これらは一度設定すれば済むものがほとんどです。設定が難しければ、制作会社や専門家に初期設定だけ依頼するのも有効な方法です。
注意点:完璧を求めず、まず”続けて見る”
GA4を使い始めるときは、次の点を意識すると挫折しにくくなります。
- 数字は”目安”と捉える:アクセス解析の数値は、広告ブロックやCookie同意などの影響で完全に正確ではない。1件単位の正確さより、傾向や推移を見る。
- まずキーイベントを1つ設定する:成果が測れなければ改善の判断ができない。「問い合わせ完了」など、自社のゴールを1つ決めて設定する。
- 定期的に見る習慣をつける:月に一度でよいので、同じ5指標を同じ目線で見続ける。変化に気づけることが、改善の第一歩。
- 難しい分析は無理にやらない:高度な分析は専門家に任せ、まずは基本の5指標で”現状把握”を続ける。
最初から完璧なレポートを作ろうとせず、「5つの指標を、毎月眺める」ところから始めれば十分です。
よくある疑問(Q&A)
GA4について、中小企業からよく寄せられる疑問を整理します。
Q. 昔のアナリティクス(UA)と何が違う?
GA4は、ページ表示やクリックなどを「イベント」という単位で記録する新しい仕組みで、画面も用語も大きく変わりました(コンバージョン→キーイベントなど)。以前の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」は2023年にデータ計測を終了しており、今はGA4が標準です。
Q. 「直帰率」は見なくていい?
GA4にも直帰率はありますが、定義が変わり、以前ほど重視されなくなりました。まずは代わりにエンゲージメント率を見れば、訪問者がちゃんとサイトを見たかを把握できます。
Q. どのくらいの頻度で見ればいい?
月に一度、同じ5つの指標を見るだけで十分です。加えて、何か施策(サイト改修や広告など)を打った後は、その前後で数字がどう変わったかを確認しましょう。
Q. スマホとパソコンは分けて見られる?
はい。デバイス別に数字を分けて確認できます。今はスマホからの訪問が多いサイトがほとんどなので、スマホでの見られ方・成果は特に意識して見ておくとよいでしょう。
Q. GA4は無料?有料版は必要?
中小企業であれば、無料版で十分です。非常に大規模なサイト向けに有料版(GA4 360)もありますが、まずは無料版で5つの指標を見るところから始めれば問題ありません。
まとめ:まず5つの指標を、毎月眺めることから
GA4は多機能ですが、サイト改善の入口として見るべきものは限られています。要点は次の通りです。
- 見るべきは「ユーザー数・集客・エンゲージメント・人気ページ・キーイベント」の5つ
- 単体ではなく”組み合わせて”読むと、直すべき場所が見える
- 成果を測るには、キーイベント(旧コンバージョン)の設定が必須
- 完璧を求めず、推移を”続けて見る”ことが改善につながる
まずは自社のGA4を開き、この5つの指標がいまどうなっているかを眺めてみてください。「増えている/減っている」に気づくことが、サイト改善のスタートラインです。
GA4の初期設定(キーイベント設定など)から、数字の読み解き、サイト改善・SEOまで、まとめてご相談ください。
