「提案の手ごたえは悪くなかったのに、その後の連絡が途絶えてしまう。」「展示会や紹介で名刺を渡したのに、問い合わせにつながらない。」その原因は、見込み客が必ずと言っていいほど取るある行動にあるかもしれません。それが「会社名での検索」です。
検討している相手は、契約や発注の前に、必ずと言っていいほど社名やサービス名を検索します。そのときに表示される情報が、会社の第一印象を決めてしまいます。

この記事では、指名検索されたときに見られている要素と、機会損失を防ぐための印象の整え方を、業種を問わず使える形で解説します。

見込み客は契約前に必ず社名を検索している

人は、少しでも取引を検討する相手について、事前に調べてから判断しようとします。
営業を受けた後、紹介を受けた後、広告を見た後。きっかけは何であれ、興味を持った相手のことを、多くの人はまず検索で確かめます。金額が大きい取引や、長く付き合う相手ほど、この傾向は強くなります。個人が店やサービスを選ぶときも、企業が発注先を選ぶときも、行動の本質は変わりません。

このとき見られているのは、きれいに作り込まれた広告ではなく、検索したときに自然に出てくる情報です。会社側が意図してコントロールしていない部分にこそ、相手は本音を探しに来ます。だからこそ、指名検索されたときの見え方を整えておくことが、そのまま受注率に影響します。

指名検索が特に効いてくる場面

指名検索の影響は、取引の性質によって大きくなります。
たとえば、金額が大きく契約期間の長いBtoBの発注では、相手企業は失敗を避けたいという気持ちが強く、事前の下調べにも時間をかけます。来店を伴うサービスでも、初めて訪れる前に店名を検索し、評判や雰囲気を確かめてから足を運ぶ人が多くいます。

士業や医療、コンサルティングのように、信頼そのものが商品となる業種では、検索結果の印象がそのまま依頼するかどうかの判断に直結します。扱う商材の金額が大きいほど、また相手との関係が長く続くほど、指名検索の重みは増していきます。

自社が検索されたときにどう見えているか分からない」という方▼

指名検索で見られている5つの面

社名で検索されたとき、見込み客の目に入る情報は大きく5つに分けられます。

  1. 検索結果の一覧:公式サイトが最初に出てくるか、情報が古くないか
  2. サジェスト(予測変換):社名に続いて表示される関連ワード
  3. 口コミ・評判:Googleの口コミや各種サイトの評価
  4. SNS:更新が止まっていないか、印象を損なう投稿がないか
  5. 自社サイト:情報が十分か、スマホで見やすいか

このどれか一つでも大きくマイナスに働くと、それまで積み上げた好印象が一気に崩れることがあります。順番に、機会損失につながりやすいパターンを見ていきましょう。

よくある機会損失のパターン

指名検索の場面で信頼を落としてしまう典型的なケースには、共通点があります。

ネガティブなサジェストが表示される

社名を入力すると、「評判」「やばい」「怪しい」といった言葉が予測変換に並ぶことがあります。これらは実際の評価というより、過去に多く検索された組み合わせが反映されたものです。しかし検討中の相手にとっては、真偽に関わらず不安の種になります。何もしなければ、こうした表示が残り続けてしまいます。

SNSやサイトの更新が止まっている

最終更新が数年前で止まっているSNSや、情報が古いままのサイトは、「今も活動しているのだろうか」という疑問を持たせます。事業は順調でも、発信が止まっているだけで、勢いがない会社に見えてしまうことがあります。見込み客は、更新の鮮度からも会社の状態を読み取ろうとします。

口コミが少ない、または未対応のまま

口コミがほとんどない状態や、低い評価がついたまま何の反応もない状態は、印象を弱めます。特に、批判的な口コミに一切返信がないと、対応の姿勢そのものが疑問視されます。逆に、丁寧な返信が並んでいれば、多少の低評価があっても誠実さが伝わります。

公式サイトの情報が薄い、たどり着けない

社名で検索したのに公式サイトが上位に出てこない、あるいは出てきても情報が乏しいと、相手は判断の材料を得られません。事業内容や実績、料金の考え方、問い合わせ方法といった、知りたい情報がすぐに見つからないサイトは、それだけで候補から外れる理由になります。検索から公式サイトへ、そして問い合わせへと自然につながる状態を整えておくことが前提になります。

採用でも指名検索は見られている

指名検索を気にするのは、見込み客だけではありません。求職者もまた、応募や入社を決める前に会社名を検索します。求人情報を見て興味を持っても、社名で調べたときに情報が乏しかったり、評判に不安を感じたりすれば、応募をためらう人は少なくありません。

採用ページが古いまま、社員の様子が伝わる情報がない、といった状態は、応募数にも影響します。集客と採用は別の活動に見えて、検索されたときの印象を整えるという点では同じ土台の上にあります。会社の今を伝える情報を用意しておくことは、両方に効いてきます。

指名検索の印象を整える具体策

印象は、正しい順番で手を打てば着実に改善できます。

公式情報を検索結果の上位に整える

まず、社名で検索したときに公式サイトが確実に上位に出るようにします。会社名や所在地、事業内容といった基本情報をサイト内に正しく記載し、更新を続けることが土台になります。Googleビジネスプロフィールに会社情報を登録しておくことも、検索結果での見え方を整えるうえで有効です。

判断材料になる情報をサイトに載せる

検索して公式サイトにたどり着いた相手が、その場で判断できるだけの情報をそろえておきます。事業内容や実績、料金の考え方、対応できる範囲、よくある質問への回答などです。誰が運営しているのかが伝わるよう、代表者やスタッフの情報を載せることも安心につながります。相手が知りたいことに先回りして答えるほど、問い合わせへの心理的なハードルは下がります。

口コミを集め、丁寧に返信する

満足してくれた顧客に、無理のない範囲で口コミの投稿をお願いします。数が増えれば、一つの低評価に印象が左右されにくくなります。寄せられた口コミには、良い内容にも改善の指摘にも、感謝と誠実な姿勢で返信します。返信は、投稿者だけでなく、それを読む見込み客に向けたメッセージでもあります。

SNSと採用情報を最新に保つ

SNSは、無理に毎日投稿する必要はありません。ただし、放置されているように見えない程度の更新は続けたいところです。会社の今の様子が伝わる投稿があるだけで、活動している安心感を与えられます。採用ページや会社情報も、古い内容のまま残さないようにします。

ネガティブな表示への現実的な向き合い方

ネガティブなサジェストや口コミを完全に消すことは、基本的に簡単ではありません。明らかに規約や法律に反する口コミであれば、各サービスの窓口へ削除を申請できる場合もありますが、単なる低評価そのものは対象になりません。現実的なのは、正確で誠実な情報を継続的に発信し、良い評価や実績で全体の印象を上書きしていくことです。時間はかかりますが、これが最も確実な方法です。

第三者サイトの情報も印象を左右する

検索結果に出てくるのは、自社が管理している情報だけではありません。
口コミサイトや比較サイト、業界のまとめ記事、過去のニュースなど、自社ではコントロールできない情報も、社名検索の結果に並びます。これらに古い情報や誤った内容が載っていると、それも相手の判断に影響します。

まずは自社に関する記載を一通り確認し、事実と異なる点があれば、掲載元へ丁寧に訂正を依頼します。すべてを管理することはできませんが、どんな情報が出ているかを把握しておくだけでも、いざというときの対応が早くなります。

自社の見え方を確認する手順

対策の前に、まず相手が見ている画面を自分の目で確かめることが大切です。
確認するときは、ふだんログインしているアカウントの影響を避けるため、ブラウザのシークレットモードを使うと実際に近い結果を見られます。パソコンだけでなくスマートフォンでも検索し、表示の違いを確認します。社名の後ろに何が予測変換で出るか、口コミの評価や件数はどうか、公式サイトはすぐ見つかるか、SNSは最新かを順番にチェックします。

あわせて、競合になりそうな会社の名前でも検索し、自社との見え方の差を比べておくと、優先して直すべき点が見えてきます。

やってはいけない対策

印象を整えたいあまり、かえって信頼を損なう手を打ってしまうことがあります。
最も避けるべきは、報酬を渡して良い口コミを書いてもらったり、自作自演で評価を水増ししたりすることです。2023年10月からは、事業者が自らの関与を隠して行う広告、いわゆるステルスマーケティングが、景品表示法にもとづく規制の対象になっています。やらせの口コミや、広告であることを隠したレビュー依頼は、この規制に触れるおそれがあります。発覚すれば、整えようとしていた信頼を根本から損なうことになりかねません。

まとめ

見込み客は、あなたの会社を検索し、そこで見た印象で最終的な判断を下しています。

検索結果・サジェスト・口コミ・SNS・自社サイト。この5つの面を見込み客の目線で確認し、古い情報を整え、口コミに誠実に向き合うだけでも、印象は大きく変わります。派手な施策は必要ありません。検索されたときに「きちんとした会社だ」と伝わる状態を保つことが、取りこぼしを防ぐ一番の近道です。

まずは一度、自社の名前で検索してみてください。相手が見ているのと同じ画面を、自分の目で確かめることから始まります。

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